『Maverick』の由来
『Maverick』の由来
『Maverick』の由来
『Maverick』


《緑の太陽の頂点》でサーチしてくるために多くの妨害クリーチャーを1枚挿しされている様が一匹狼のようだからその名前が付いた、という噂を聞くが、残念ながらそれは違う。
何故なら、MBSで《緑の太陽の頂点》が追加される前から『Maverick』は既に存在していた。

《緑の太陽の頂点》は無くても《適者生存》の禁止前には《適者生存》を使って1枚挿しでのサーチがされていたから間違っていない、という噂も聞くが、残念ながらそれも違う。
何故なら、《緑の太陽の頂点》以前の『Maverick』には《適者生存》は採用されていないかった。

そして何より。
そもそも『Maverick』とは、元祖『Maverick』デッキの制作者であるスペインのプレイヤー、「Luis Viciano」氏のハンドルネームである。


当時の『Maverick』も現在の『Maverick』と根本的には変わらない。相手の行動を縛りながらクリーチャーで殴る。しかしそのための方法は現在のものとは若干違う。

デッキリストで大きく異なるのは《霊気の薬瓶》《雨ざらしの旅人》だろう。当然ながら当時は《緑の太陽の頂点》が無いので妨害クリーチャーのシルバーバレットはとらなかった。ではどうやって相手の行動を縛っていたかというと、《不毛の大地》である。《雨ざらしの旅人》《聖遺の騎士》で《不毛の大地》を供給して相手の土地を割る、いわゆるマナ否定戦略をとっていた。それらを《ルーンの母》《スクリブのレインジャー》でサポートし、自分は《霊気の薬瓶》《貴族の教主》などで少ない土地でも動けるようにする。そして最後は残ったクリーチャーに《石鍛冶の神秘家》から出した《梅澤の十手》を装備させて蓋をする。

レガシーに詳しいプレイヤーならピンと来たかもしれない。『Maverick』はもともと『GW Aggro』あるいは『Bant』『Zoo』などの亜種ではなく、『No Goyf』と呼ばれる『UW Tempo』から発展したものだ。当初はまだ《適者生存》が《復讐蔦》を走らせて環境を高速化させる前であったので、青でコンボを牽制するよりも緑でビートへの耐性を高めた方が環境に適している、という考えの元で構築された。

青ではなく緑を加えたことで、上記のようにマナ否定戦略を《聖遺の騎士》《スクリブのレインジャー》《貴族の教主》で補強した。また、単体で殴りきれる《聖遺の騎士》により《梅澤の十手》への依存度を減らし、逆に相手の装備品には《クァーサルの群れ魔道士》で対処した。《聖遺の騎士》は更にデッキに複数枚入れたくない《ガイアの揺籃の地》や《Karakas》へのアクセス手段を増やし、《地平線の梢》は余分な土地が必要無いこのデッキに適していた。《スクリブのレインジャー》のプロテクション青と島の不採用は当時流行していたマーフォークに効果的だった。


そうして組まれた『Maverick』であるが、2011年2月に《緑の太陽の頂点》の追加により妨害クリーチャーのシルバーバレットという要素を加えた『Zenith Maverick』として発展する。幸か不幸か、《霊気の薬瓶》《雨ざらしの旅人》を採用しない『Zenith Maverick』は成功してその名が紹介され、それが日本やアメリカに伝わる頃には「『Maverick』=《緑の太陽の頂点》」という図式が完成していた。そして2011年10月のGPアムステルダムでも『Maverick』は公式に取り上げられ好成績も収めたことで世界中に広まり、それまで『GW Zenith』や『Zeta bomb』と呼んでいたコミュニティの多くもそれらを『Maverick』と呼ぶようになった。

『GW Zenith』を『Maverick』と呼ぶようになった。


ところで、デッキ制作者である『Maverick』氏が参加するスペインの大会では、《緑の太陽の頂点》で世界に広まる前から《霊気の薬瓶》を用いた『Maverick』の名前を使用し紹介してきた。その大会でも現在は《緑の太陽の頂点》を用いた『Maverick』が主流になっている。しかし彼らはそれを『Maverick』とは呼ばず、頑なに『GW Zenith』と呼び続けている。まるで『GW Zenith』が『Maverick』を名乗る事を認めないかのように。

デッキ制作者である『Maverick』氏は、自分が構築した当時の『Maverick』を現在も調整し使い続けている。
LCL 2012 Julio
開催日:2012 / 07 / 15
第5位:Maverick
使用者:Luis Viciano

Main Deck

4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4《Savannah》
4《不毛の大地/Wasteland》
1《平地/Plains》
1《森/Forest》
1《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
1《Karakas》
1《Maze of Ith》
2《魂の洞窟/Cavern of Souls》
3《地平線の梢/Horizon Canopy》

4《ルーンの母/Mother of Runes》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
4《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
3《雨ざらしの旅人/Weathered Wayfarer》
3《極楽鳥/Birds of Paradise》
2《スクリブのレインジャー/Scryb Ranger》
3《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
2《永遠の証人/Eternal Witness》

4《霊気の薬瓶/AEther Vial》
1《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
1《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》
1《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》
2《森の知恵/Sylvan Library》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》

Sideboard
3《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
2《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》
3《窒息/Choke》
2《クローサの掌握/Krosan Grip》
3《外科的摘出/Surgical Extraction》
2《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》

コメント

nophoto
通りすがり
2012年9月27日16:00

賛美を受けたクリーチャーが単体で殴る姿を一匹狼になぞらえているのかと思いました。

じた
2012年9月27日16:31

勉強になります!!

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