『Midrange』
2011年11月5日 MTG コメント (3)はるか昔、マジックのデッキはその戦略によって
『Aggro(Beatdown)』『Control』『Combo』の3つに分類された。
実際このアーキタイプの定義は完璧で、マジックに存在するおよそ全てのデッキは、
これら3種類のいずれかあるいはいくつかで表記されることとなる。
例えば『Aggro』と『Control』の中間的あるいは混成的なデッキは『AggroControl』だ。
同様に『AggroCombo』『ControlCombo』、中には『AggroControlCombo』なんてのもある。
(何を隠そう私はNORUGが大好きだ。)
ところで今回は、複数の戦略が混じった『AggroControl』等のデッキの呼び方に対して、
混じりっ気無い『純粋なAggro』デッキのことを便宜上『PureAggro』と呼ぶこととする。
同様に『PureControl』『PureCombo』、こんな感じだ。
デッキの戦略が定義された際に「Control」という言葉には2つの異なる要素が内包された。
相手を妨害するためのカウンターや除去をはじめとする「防御的要素」と、
長引いて有利になる重い呪文やアドバンテージ獲得などによる「長期的要素」だ。
特にその両方を体現した『TheDeck』は『PureControl』の象徴とされた。
競技マジックが始まって数年後、とある『AggroControl』が一躍有名になる。
それはコンボをメタってスリヴァーでの攻撃をカウンターで補助する『CounterSliver』、
MikeFloresの分類でもその名を見る、マジックの歴史において非常に重要なデッキだ。
『Control』の「防御的要素」であるカウンターを『Aggro』に加えたこの『CounterSliver』は、
異なる2つの要素を非常に的確に組み合わせたデッキ構築の美しさを誇っていた。
そして、かつて『TheDeck』が『PureControl』の戦略を体現した象徴的な存在だったように、
『CounterSliver』が『AggroControl』の象徴的な存在へと奉り立てられることとなった。
その構造と戦略から、後にこのタイプのデッキは『ClockPermission』と呼ばれることとなる。
また、『MindTwist』系列の手札破壊デッキや『Armageddon』系列のマナ拘束デッキも、
その構造を見直されて広義の『ClockPermission』の仲間入りを果たした。
『ClockPermission』はその後、軽量で強力なクロックを得ることで更に発展することとなる。
さてここで質問だが、『AggroControl』は『PureAggro』に対して強いだろうか弱いだろうか。
同じように『PureControl』に対しては、そして『PureCombo』に対してはどうだろうか。
「あくまでも一般論だが、『AggroControl』は『PureAggro』に対して弱いと言われる。
クリーチャーの殴り合いでは純粋に攻撃力を高めた『PureAggro』に分があるからだ。
その一方で『AggroControl』は『PureControl』『PureCombo』に対して強いと言われる。
《神の怒り》やコンボパーツ等の致命的なスペルをカウンターで弾けるからだ。」
『AggroControl』≒『ClockPermisson』の認識が正しければ、解答はこのようになるだろう。
しかし実際には、『PureAggro』に強い『AggroControl』はいくらでも存在する。
そして同様に、『PureControl』『PureCombo』に弱い『AggroControl』もまた存在する。
その鍵は、『AggroControl』≒『ClockPermisson』として認知される際に置き去りにした、
かつて「Control」の言葉に内包された2つの要素の残り一方、「長期的要素」にある。
「防御的要素」に着目した『AggroControl』が『ClockPermission』と呼ばれるように、
「長期的要素」に着目した『AggroControl』は『Midrange』と米国では呼ばれる。
『Control』の「長期的要素」を『Aggro』に組み合わせたこの『Midrange』の戦略と構造が、
『AggroControl』≒『ClockPermission』では説明できなかった部分を埋めてくれる。
あくまでも一般論だが、『Midrange』は『PureAggro』に対して強いと言われる。
クリーチャーの殴り合いでは消耗戦に強い『Midrange』に分があるからだ。
その一方で『Midrange』は『PureControl』『PureCombo』に対して弱いと言われる。
《神の怒り》やコンボパーツ等の致命的なスペルを防ぐ術を持たないからだ。
米国ではこの『Midrange』の戦略については何年も前から研究され論述されている。
『Midrange』は『ClockPermission』とは別系統の『AggroControl』であると定義付けられ、
その戦略は『MidrangeBeatdown』『MidrangeControl』と更に細分化されている。
日本でも、言葉では『中速』が使われているし、実際に多くの『Midrange』が活躍している。
しかし驚くべきことに、これほど一般に浸透している『Midrange』が日本において、
そのデッキの構造や戦略について明確に体系付けられて論述されたことはほとんど無い。
それ故に、『Midrange』の戦略を論理に拠るのではなく感覚に頼って扱わざるを得ず、
日本においては未だ『Aggro』『Control』戦略の中間としてしか認識されていない。
『AggroCotrol』と呼ばれるデッキの範囲は『ClockPermission』から『Midrange』まで幅広く、
しかも現在のレガシーではひとつのデッキに複数の戦略が組み合わされることも多い。
(何を隠そう私はNORUGが大好きだ。)
環境に存在するデッキの中で、非常に多数が『AggroControl』と分類されるその中で、
それぞれのデッキが『AggroControl』の中でも更にどの立ち位置でどの戦略を用いるのか、
ひとつひとつ把握していきたいものである。
余談だが、米国では、『Midrange』戦略の存在とその構造的立ち位置を考慮した上で、
なおも『AggroControl』が『ClockPermission』を意味する場合もある。
米国では「Control」は「防御的要素」の側面、特にカウンター・手札破壊・マナ拘束など、
相手の行動そのものを縛れるようなものを指す傾向が強いためであろう。
一方で「Control」を「長期的要素」の側面を捉えて定義付けることの事の多い日本人が、
その視点から『AggroControl』を語ることが無かったのは、なんとも皮肉な話である。
※この文章は、非常に歴史の浅い平凡プレイヤーが酒に酔った勢いで書いた妄想です。
信じる者は足元を掬われますので悪しからず。
『Aggro(Beatdown)』『Control』『Combo』の3つに分類された。
実際このアーキタイプの定義は完璧で、マジックに存在するおよそ全てのデッキは、
これら3種類のいずれかあるいはいくつかで表記されることとなる。
例えば『Aggro』と『Control』の中間的あるいは混成的なデッキは『AggroControl』だ。
同様に『AggroCombo』『ControlCombo』、中には『AggroControlCombo』なんてのもある。
(何を隠そう私はNORUGが大好きだ。)
ところで今回は、複数の戦略が混じった『AggroControl』等のデッキの呼び方に対して、
混じりっ気無い『純粋なAggro』デッキのことを便宜上『PureAggro』と呼ぶこととする。
同様に『PureControl』『PureCombo』、こんな感じだ。
デッキの戦略が定義された際に「Control」という言葉には2つの異なる要素が内包された。
相手を妨害するためのカウンターや除去をはじめとする「防御的要素」と、
長引いて有利になる重い呪文やアドバンテージ獲得などによる「長期的要素」だ。
特にその両方を体現した『TheDeck』は『PureControl』の象徴とされた。
競技マジックが始まって数年後、とある『AggroControl』が一躍有名になる。
それはコンボをメタってスリヴァーでの攻撃をカウンターで補助する『CounterSliver』、
MikeFloresの分類でもその名を見る、マジックの歴史において非常に重要なデッキだ。
『Control』の「防御的要素」であるカウンターを『Aggro』に加えたこの『CounterSliver』は、
異なる2つの要素を非常に的確に組み合わせたデッキ構築の美しさを誇っていた。
そして、かつて『TheDeck』が『PureControl』の戦略を体現した象徴的な存在だったように、
『CounterSliver』が『AggroControl』の象徴的な存在へと奉り立てられることとなった。
その構造と戦略から、後にこのタイプのデッキは『ClockPermission』と呼ばれることとなる。
また、『MindTwist』系列の手札破壊デッキや『Armageddon』系列のマナ拘束デッキも、
その構造を見直されて広義の『ClockPermission』の仲間入りを果たした。
『ClockPermission』はその後、軽量で強力なクロックを得ることで更に発展することとなる。
さてここで質問だが、『AggroControl』は『PureAggro』に対して強いだろうか弱いだろうか。
同じように『PureControl』に対しては、そして『PureCombo』に対してはどうだろうか。
「あくまでも一般論だが、『AggroControl』は『PureAggro』に対して弱いと言われる。
クリーチャーの殴り合いでは純粋に攻撃力を高めた『PureAggro』に分があるからだ。
その一方で『AggroControl』は『PureControl』『PureCombo』に対して強いと言われる。
《神の怒り》やコンボパーツ等の致命的なスペルをカウンターで弾けるからだ。」
『AggroControl』≒『ClockPermisson』の認識が正しければ、解答はこのようになるだろう。
しかし実際には、『PureAggro』に強い『AggroControl』はいくらでも存在する。
そして同様に、『PureControl』『PureCombo』に弱い『AggroControl』もまた存在する。
その鍵は、『AggroControl』≒『ClockPermisson』として認知される際に置き去りにした、
かつて「Control」の言葉に内包された2つの要素の残り一方、「長期的要素」にある。
「防御的要素」に着目した『AggroControl』が『ClockPermission』と呼ばれるように、
「長期的要素」に着目した『AggroControl』は『Midrange』と米国では呼ばれる。
『Control』の「長期的要素」を『Aggro』に組み合わせたこの『Midrange』の戦略と構造が、
『AggroControl』≒『ClockPermission』では説明できなかった部分を埋めてくれる。
あくまでも一般論だが、『Midrange』は『PureAggro』に対して強いと言われる。
クリーチャーの殴り合いでは消耗戦に強い『Midrange』に分があるからだ。
その一方で『Midrange』は『PureControl』『PureCombo』に対して弱いと言われる。
《神の怒り》やコンボパーツ等の致命的なスペルを防ぐ術を持たないからだ。
米国ではこの『Midrange』の戦略については何年も前から研究され論述されている。
『Midrange』は『ClockPermission』とは別系統の『AggroControl』であると定義付けられ、
その戦略は『MidrangeBeatdown』『MidrangeControl』と更に細分化されている。
日本でも、言葉では『中速』が使われているし、実際に多くの『Midrange』が活躍している。
しかし驚くべきことに、これほど一般に浸透している『Midrange』が日本において、
そのデッキの構造や戦略について明確に体系付けられて論述されたことはほとんど無い。
それ故に、『Midrange』の戦略を論理に拠るのではなく感覚に頼って扱わざるを得ず、
日本においては未だ『Aggro』『Control』戦略の中間としてしか認識されていない。
『AggroCotrol』と呼ばれるデッキの範囲は『ClockPermission』から『Midrange』まで幅広く、
しかも現在のレガシーではひとつのデッキに複数の戦略が組み合わされることも多い。
(何を隠そう私はNORUGが大好きだ。)
環境に存在するデッキの中で、非常に多数が『AggroControl』と分類されるその中で、
それぞれのデッキが『AggroControl』の中でも更にどの立ち位置でどの戦略を用いるのか、
ひとつひとつ把握していきたいものである。
余談だが、米国では、『Midrange』戦略の存在とその構造的立ち位置を考慮した上で、
なおも『AggroControl』が『ClockPermission』を意味する場合もある。
米国では「Control」は「防御的要素」の側面、特にカウンター・手札破壊・マナ拘束など、
相手の行動そのものを縛れるようなものを指す傾向が強いためであろう。
一方で「Control」を「長期的要素」の側面を捉えて定義付けることの事の多い日本人が、
その視点から『AggroControl』を語ることが無かったのは、なんとも皮肉な話である。
※この文章は、非常に歴史の浅い平凡プレイヤーが酒に酔った勢いで書いた妄想です。
信じる者は足元を掬われますので悪しからず。
コメント
非常に面白く勉強になる内容でした。
ビートに強いビートが好きなので、僕はMidrange好きに違いない
赤白ってカラーがそうなのかも?
エイドさんと永らく会っていない俺には今でも赤白ヒバリとか使ってるイメージが根付いてる。
というかエイドさんのDNが生きてたことに驚いたんだぜ。