調整記というか雑談メモ。

昨日メガさんと一緒にBMからハヤカワへの(徒歩での)移動中、ひたすらメガさんのエクテンナヤについて話してた。折角なので出た内容のメモ。

入ってるカードについては語るけど、自分のデッキじゃないんでリストは上げません。

先日公式サイトでもナヤについて語られてたんで、一緒に見とくといいかも。
http://mtg-jp.com/reading/formats/001267/




○ナヤってどんなデッキ?

・単体で優秀なクリーチャー
《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》

・アドバンテージがとれるクリーチャー
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
《復讐蔦/Vengevine》

・装備品が有効に使える
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》


○《復讐蔦/Vengevine》を中心とした構成

《血編み髪のエルフ》の続唱によってクリーチャーをめくる可能性を上げるために、このデッキは大半がクリーチャーで占められている。これによって、何度除去しても《血編み髪のエルフ》を唱えるだけで墓地の《復讐蔦》軍団を丸ごと吊り上げることができるようになっている。また、《獣相のシャーマン》で《復讐蔦》をぐるぐるした後に《血編み髪のエルフ》を探すこともでき、除去の薄い相手であれば《獣相のシャーマン》が生き残るだけで勝てることもある。


○《石鍛冶の神秘家》と装備品

上記の通り、このデッキは大半がクリーチャーで占められている。そのクリーチャーをサポートするのが装備品である。SOMブロックの装備品はどれも強力で、装備先さえ確保できればそれだけで勝ててしまうほど強い。このデッキは《石鍛冶の神秘家》によって装備品を上手く使うことができる。白いデッキの大きな利点の一つに《石鍛冶の神秘家》が採用できる点がある。


○つまり

基本的な性能が優れたクリーチャーで序盤からサイズで圧倒し、中盤以降はアドバンテージ勝負に持ち込みながら攻め続け、装備品による強化でフィニッシュする。何度でも戦場に戻ってくるクリーチャーと、何度でもクリーチャーを強化できる装備品、この組み合わせが強いデッキである。



○2T《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》は強い!

《帰化》付き《番狼》ですが何か?


○2T《獣相のシャーマン/Fauna Shaman》は強い?
○2T《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》は強い?

メガさんは強いと言ってたが、自分はそうは思わない。

理由は、両方とも殴り値が低く、その強さを発揮するのに時間がかかるから。
この環境の2Tは《朽ちゆくヒル》《苦花》《虹色の前兆》であり、マナクリ経由で3マナアクションをするデッキまである。そんな中で、本体のサイズが小さく殴れないクリーチャーを出すのはテンポロスが大きい。

《獣相のシャーマン》からの《復讐蔦》ぐるぐるはもちろん強い。しかし、その強さを発揮するまで時間がかかる。それまでは、本体が貧弱な《獣相のシャーマン》が立っているだけになり、序盤から終盤まで攻め続けられるというナヤ本来の強さを発揮できず、対戦相手にいいように動かれてしまう。しかもこれ自体が長いこと場に残らなければ弱いため、ファッティが殴ってきてもチャンプにも行けない。

《石鍛冶の神秘家》も同じような理由。装備品サーチはもちろん強い。しかし、その装備品を実際に活用できるのは概ね4T以降。それならば2Tはきちんと殴れるクリーチャーを出し、動かせるマナが増えて装備品が活用できるようになってから《石鍛冶の神秘家》を出した方がよっぽど強い。

上では生き残れば勝てるだの装備品を上手く使えるだのと言っていたが、それが2Tのアクションとしてでは話が変わってくる。両方とも本体のサイズとは違うところに強さがあり、盤面が膠着した後に出しても充分に力を発揮してくれるため、無理に2Tに出す必要は無い。相手によっては先攻2T《石鍛冶の神秘家》《獣相のシャーマン》で一気に勝利に近づける場合もあるので一概に間違いであるとは言わないが、しかし基本的には、ナヤというデッキの2Tにとっては弱いアクションである。


○じゃあ2Tはどうするの?

となると2Tの有効なアクションが《クァーサルの群れ魔道士》しかなくなる。ナヤというデッキにとって、2Tはアグレッシブに攻められる強力なアクションが望ましい。《クァーサルの群れ魔道士》と同レベルの殴り値を持つクリーチャーがいればよいが、この色ではそんな便利なものはない。

しかしこの色は、3マナ域が非常に充実している。そして緑は《貴族の教主》などマナクリーチャーを有している。
《貴族の教主》は単体でも非常に優秀なので、既に4枚採用されていた。そこに更に《極楽鳥》を増量して2Tに3マナアクションを取る、いわゆるファイアーズ構成にするのがよいのではないか。2Tの《ミラディンの十字軍》は、この上なく強力なアクションである。


○それだとマナフラッドするよ?攻め続けるコンセプトに合わないんじゃない?

マナクリーチャーによる序盤のマナ加速は強力だが、それは手札を消費してマナを伸ばす行為であり、また、マナが伸びきった終盤にはただ立っているだけのチャンプブロッカーに成り下がってしまうことが多い。それは「マナクリを入れるメリット<マナクリを入れるデメリット」であり、この構図がある限り、単品で優秀なマナクリーチャー以外は採用できない。

しかしこのナヤというデッキは、それを2つの点で克服している。

・《復讐蔦/Vengevine》のタネになる
上記の通り、このデッキは《復讐蔦》を前提に組まれている。手札に余ったマナクリで軽く釣ることができるため、装備品があれば装備までして殴ることもできる。

・装備品の装備先になる
上記の通り、このデッキは強力な装備品を上手く使うことができる。さらに《肉体と精神の剣》と《饗宴と飢餓の剣》の二枚にとっては、《極楽鳥》の持つ飛行が非常に強力になる。

もちろんこれらはもっと強いクリーチャーで行えばもっと強いアクションになる。しかし重要なのは、マナクリーチャーの本来の役割はあくまで序盤のマナ加速であり、その役割を終えた後でも、こういった付加価値を自然な形で与えられるという点である。これらの要素により、このデッキでは「マナクリを入れるメリット+マナクリを腐らせない方法>マナクリを入れるデメリット」という構図になり、マナクリーチャーが他のデッキよりも強いと言える。


○《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》からの《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は強いけど!

ブンパターン。強い。
《貴族の教主》から繋げば3Tに6/6・飛行・二段攻撃で殴るという狂ったアクションになる。

ただし、同じアクションはバントやドランにも可能であることを忘れてはいけない。しかもバントは《最高の時》《失われたアラーラの君主》などのパターンも持ち合わせているし、ドランはナヤより2マナ3マナ域のクリーチャーの殴り値が高い。また、フェアリーの《霧縛りの徒党》ハメもジャンドの《荒廃稲妻》ハメも、方向は違うが充分に勝負を決められる力がある。

この動きは確かに強いものの、この環境のビートダウンはどれも独自のブンハメパターンを持っているため、ナヤが特別にブンパターンが強いデッキと考えるのは正しくない。


○メイン《獣相のシャーマン》前提《ガドック・ティーグ》は強い?

メガさんはさも強そうに語っていたが、自分はそうは思わない。

2T《獣相のシャーマン》プレイ⇒3T《獣相のシャーマン》起動から《ガドック・ティーグ》プレイ、この時点で相手のライフはほぼ初期値のままで、こちらは熊を二体コントロールしているだけ。しかも単体除去一枚でそのプランは崩れる。

ヴァラクート対策らしいが、そんなすっとろい動きをしてたらあっという間に焼き殺される。


○マナバランス

メガさんのデッキは結構事故ってたけど、マナバランスがかなり適当だったから当然だと思う。

・《聖遺の騎士》を使うなら
フェッチランドを多めに。サーチ先も併せて多めに。
なんだけど、メガさんこれに拘りすぎて他のバランスが狂ってた。

・赤マナが必要なのは《血編み髪のエルフ》《狡猾な火花魔道士》《怒り狂う山峡》のみ
基本的に赤マナ源は4Tにひとつあれば充分。バランスの狂いを増強してたのがこれ。
公式のサンプルデッキリストでは同じくらいだって?サイドを見ようぜ。

・1Tマナクリ置きたい
1T緑マナが出なさすぎ。《剃刀境の茂み》はなんで2枚なん?
ファイアーズ構成を中心に組むなら、1Tマナクリは必須。

・《ボガートの突撃隊》を使うなら
詳しくは下記。
3Tの《ミラディンの十字軍》《ボガートの突撃隊》が同居できる便利な《樹木茂る砦》がだな。

判断基準はこんなところ。あとは優先順位と微調整。



○ナヤの強いところってどんなところ?

・クリーチャー同士の消耗戦に強い
・ある程度のボードコントロール耐性がある
要するに《復讐蔦》と装備品。
ビート相手には相打ち上等で殴っていればアド差で勝てるし、コントロールには流されてもすぐに戦線を再構成できる。

・カウンター耐性がある
《血編み髪のエルフ》と《復讐蔦》。


○ナヤの弱いところってどんなところ?

・基本的に相手の生物に触れない
デッキの大半がクリーチャーが占められているため、除去が極端に薄い。一応《狡猾な火花魔道士》《バジリスクの首輪》のギミックは入っているものの、どちらもピン挿しで除去としては期待できない。

・対戦相手のハンドに触れない
・軸の違う速度勝負に弱い
青を含むバントなら《マナ漏出》などのカウンター、黒を含むジャンドやドランなら《思考囲い》などの手札破壊があるが、ナヤは相手のハンドに触る手段が無い。そのため、相手の行動に対応する手段が極端に限られている。
また、どっしり構えての殴り合いには強くても速度はそこまで速いわけではない。ビートダウン同士なら速度を消耗戦で盛り返せるが、軸の違う動きをされると何も対処できず速度でも劣るという最悪の結果になる。


○ならメタゲーム的には相性はどうなの?

・フェアリー
クリーチャー同士の消耗戦、カウンター耐性、どちらもフェアリーに対して有効。

・ヴァラクート
軸の違う速度勝負。
《虹色の前兆》型なら《クァーサルの群れ魔道士》が気休め程度。

・ジャンド
《ミラディンの十字軍》《饗宴と飢餓の剣》のどちらかが残ればそれだけで勝てる。
しかしジャンド側はどちらも一応対処できるのに対し、ナヤ側はジャンドの《獣相のシャーマン》を触れない。
ジャンドもアドバンテージ勝負にはそこそこ強いので、そこまでの相性差は無い。

・白青コントロール
詳しくはわからんけど、メガさん曰く「お客様」らしい。
詳しくはわからんけど。

・ナヤ
お互いの構成による。

・バント
単純な殴り合いではナヤ有利。
しかしバントの方が《最高の時》等のいちげきひっさつ!パターンが強く、《精神を刻む者、ジェイス》ハメもうざい。そしてナヤにはそれらに触る手段が少ない。
総じて少しバント有利?

・その他
よくわかりません。



○それを踏まえた上で、メガさんはメインをどういう方向に調整したいの?

ヴァラクートに対してメインからある程度戦いたいらしい。


○ヴァラクートに勝つ方法

というわけでコンボに対処する方法を挙げてみた。参考はスタン版ヴァラクートの対抗デッキ。

・極端に速度を上げる
コンボが完成する前にライフを0まで削りきる。カルドーザレッドなど。

・クロックパーミッション
コンボの完成をカウンターや手札破壊で遅らせながら殴る。青白カウゴーなど。

・コンボのシステムを崩す
コンボそのものが成り立たないようにする。あえて挙げるなら青黒コントロール?

この中で、搦め手の無いナヤの取り得る選択肢は速度を上げるしかない。
正直、ヴァラクートとメインから戦いたいなら青か黒を加えろと言いたかったが、というか言ったが、ナヤがいいらしい。


○速度を上げるって具体的にはどうするの?

・マナクリからのブン回りパターンの増強
・《獣相のシャーマン》《石鍛冶の神秘家》の減量
2Tの《獣相のシャーマン》《石鍛冶の神秘家》なんてもっさい動きをしてたら焼き殺される。
代わりに確実に1→3→4と刻んで4Tまでにほとんど勝負を決められるようにするべき。
でもメガさんは、それでもこの二枚はある程度入れたいらしい。なんでさ?

・《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》はもっさい
《聖遺の騎士》は非常に優秀なクリーチャーではあるものの、その強さの本質はサイズよりも動きの柔軟性にある。ヴァラクート相手では《聖遺の騎士》がその強さを発揮できる展開に持っていけないため、重たいだけになってしまう。

・《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》という提案
速攻で3点削って場にクロックが残り、速度を上げるならばかなり強い動きをしてくれる。《血編み髪のエルフ》からめくれれば嬉しい。普通に強いカードなので、他の相手でも腐らない。
このデッキは緑が一番濃いが、3マナ域には《ミラディンの十字軍》も同居するので、マナバランスが問題か。


○でも速度を上げるって言ったって

ナヤは上述の通り、クリーチャー同士の消耗戦に強く、ビートダウンでありながらコントロールやカウンターに耐性がある、長期戦に強いビートダウンである。しかし速度を上げる調整は、どうしても長期戦を薄くせざるを得ない。それなのにデッキの基本的な構成を残したままで速度を上げるのにも限界があり、正直ヴァラクートに対しては少し早くする程度では焼け石に水である。おまけに他のデッキもそれぞれのブンハメパターンを持っているため、速さ勝負であれば別にナヤでなくてもできる。

デッキの本来の強さを薄めてまで苦手な相手と戦えるようにする調整で、デッキとして強くなるのかと考えれば甚だ疑問である。




○結論というか今回のオチ

ヴァラクートに勝ちたきゃ青か黒でやれ。

コメント

アルパカ@LP
2011年3月7日15:49

私の使っている神話は一切触れられてないorz

おやしろ
2011年3月7日16:03

ヴァラにナヤで勝ちたいってのは贅沢にも程があるが、まぁ考えとしては間違ってないかもねw
ナヤで調整する部分っつうとそこか、ヴァラ捨てて他に強くするかぐらいだから
でもまぁ、他使えよとは思うw

ふみ(旧)
2011年3月7日19:11

>ひぃろせさん
・その他(神話など)
これでおけ?

>おやしろさん
私がメインをどういう方向に調整したいかを聞くと、メガさんは力強く答えてくれました。
「ヴァラクートに勝ちたい」と。

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