少し細かいルールについてお勉強したので自分用メモ。
「呪文を唱える」ことは、細かくは下記のような手順に分けられている。
a 呪文を唱えることを宣言する。そのカードが元の領域からスタックへと動かされる
b モードの選択、連繋による手札の公開、代替コストや追加コスト、可変のコスト、混成マナの支払い方などを宣言する
c 必要ならばいくつの対象を取るのかを宣言し、適正な対象を選んで宣言する
d 効果をどう分配するかを宣言する
e 総コストを計算され、総コストが「固定」される
-1 マナ・コストまたは代替コスト
-2 追加コストのなどコストの増減が計算される
-3 総コストを直接変更する効果が適用される
f 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る
g プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う
かなり簡略化してあるので、詳しくは↓を参照。
http://mjmj.info/data/CompRules_j.html#r601
起動型能力や誘発型能力の場合も手順はほぼ同じ。
(厳密には色々違うけど今日の話題とは関係無いので端折り)
普通にマジックしてる分には必要の無い細かいルールだが、稀にこの知識が必要な状況やカードが出て来る。
例①:コストに生け贄を含む呪文や能力の対象
Aは《煙霧吐き/Fume Spitter》をコントロールしており、Bはクリーチャーをコントロールしていない。Bが《煙霧吐き》を対象として《悪性の傷/Virulent Wound》を唱えた。Aは毒カウンターを得たくない。
下記の手順で《煙霧吐き》の能力を《煙霧吐き》自身を対象にして起動することができる。
a 《煙霧吐き》の能力の起動を宣言
b コストとして《煙霧吐き》を生け贄に捧げることを宣言
c 《煙霧吐き》を対象にすることを宣言
g コストとして《煙霧吐き》を生け贄に捧げる
同じような理屈で、《投げ飛ばし/Fling》でも追加コストで生け贄に捧げるクリーチャー自身を対象にできる。
この前の「ミラディン包囲戦 よくある質問集」↓に載ってたやつ。
http://mjmj.info/data/faq_mbs_j.html
とは言っても、上のような状況くらいでしか使う機会は無さそう。
例②:[親和]などのコスト減少
Aは《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》2つと《彩色の星/Chromatic Star》をコントロールしている。Aは《物読み/Thoughtcast》を唱えたいが、《彩色の星》から青マナを出してから唱えようとすると[親和]で数えるアーティファクトが減ってしまう。
下記の手順で[親和]で数えるアーティファクトを減らすことなく《彩色の星》で出す青マナを使うことができる。
a 《物読み》を唱えることを宣言する
e2 [親和]により唱えるためのマナ・コストが(3)少なくなって(1)(U)になり、固定される
f 《彩色の星》のマナ能力を起動して青マナを出す
g マナ・コストを支払う
同じような理屈で、《カルニのハイドラ/Khalni Hydra》を唱える場合にも《野生の朗詠者/Wild Cantor》をコストの減少とマナ能力の両方に使える。
親和デッキを使う人にとっては必須事項なので割と有名な話。
例③:コストを増減・変更させる効果云々
③-①
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》が場にあるときに《Force of Will》をピッチコストで唱えたいのだが、唱えるためにマナ・コストは支払う必要があるか。
a 《Force of Will》を唱えることを宣言する
b 代替コストでマナ・コストを支払うことなく唱えることを宣言する
e1 代替コストで唱えるためのマナ・コスト(0)
e2 《アメジストのとげ》により(1)多くなる
ピッチスペル以外にも《祖先の幻視/Ancestral Vision》などの待機呪文や《魔の魅惑/Aluren》などのコスト変更効果など代替コストを用いる場合、その後に《アメジストのとげ》などのコストを増減させる効果が適用される。
③-②
《三なる宝球/Trinisphere》が場にあるときに《Force of Will》をピッチコストで唱えたいのだが、唱えるためにマナ・コストは支払う必要があるか。
下記の手順で考える。
a 《Force of Will》を唱えることを宣言する
b 代替コストでマナ・コストを支払うことなく唱えることを宣言する
e1 代替コストで唱えるためのマナ・コスト(0)
e3 《三なる宝球》により(3)に変更される
代替コストを用いる場合、その後に総コストを直接変更する《三なる宝球》の効果が適用される。
③-③
《アメジストのとげ》と《三なる宝球》が場にあるときに《対抗呪文/Counterspell》を唱えたいのだが、マナ・コストはいくら支払う必要があるか。
下記の手順で考える。
a 《対抗呪文》を唱えることを宣言する
e1 唱えるためのマナ・コスト(U)(U)
e2 《アメジストのとげ》により(1)多くなる
e3 3マナ未満ではないので《三なる宝球》の影響は受けない
《アメジストのとげ》などのコストを増減させる効果の後に、総コストを直接変更する《三なる宝球》の効果が適用される。
さらに《アメジストのとげ》と《三なる宝球》があるときに《Force of Will》をピッチコストで唱える場合、「代替コスト⇒コストの増減⇒コストの直接変更」の順で適用されるので「代替コストで(0)⇒《とげ》で+(1)⇒《宝球》で(3)になる」の順で計算される。
《三なる宝球》の上で《Force of Will》が飛び交うレガシーをやる人にとっては必須事項。
番外編:[烈日]の特殊な例
Aは《仕組まれた爆薬》を唱え、蓄積カウンターが2つ置かれた状態で場に出したい。しかしBは《アメジストのとげ》をコントロールしている。Aが《仕組まれた爆薬》をX=2で唱えると、唱えるために(3)必要になってしまう。
下記の手順で(2)だけで唱えることができる。
a 《仕組まれた爆薬》を唱えることを宣言する
b 可変コスト(X)の値を1と宣言する
e 《アメジストのとげ》により唱えるためのマナ・コストが(1)多くなる
g 2色のマナを使ってマナ・コストを支払う
WaterForestさん曰く「ヴィンテージやるなら覚えておくべき」知識。
オチなし
「呪文を唱える」ことは、細かくは下記のような手順に分けられている。
a 呪文を唱えることを宣言する。そのカードが元の領域からスタックへと動かされる
b モードの選択、連繋による手札の公開、代替コストや追加コスト、可変のコスト、混成マナの支払い方などを宣言する
c 必要ならばいくつの対象を取るのかを宣言し、適正な対象を選んで宣言する
d 効果をどう分配するかを宣言する
e 総コストを計算され、総コストが「固定」される
-1 マナ・コストまたは代替コスト
-2 追加コストのなどコストの増減が計算される
-3 総コストを直接変更する効果が適用される
f 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会を得る
g プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う
かなり簡略化してあるので、詳しくは↓を参照。
http://mjmj.info/data/CompRules_j.html#r601
起動型能力や誘発型能力の場合も手順はほぼ同じ。
(厳密には色々違うけど今日の話題とは関係無いので端折り)
普通にマジックしてる分には必要の無い細かいルールだが、稀にこの知識が必要な状況やカードが出て来る。
例①:コストに生け贄を含む呪文や能力の対象
Aは《煙霧吐き/Fume Spitter》をコントロールしており、Bはクリーチャーをコントロールしていない。Bが《煙霧吐き》を対象として《悪性の傷/Virulent Wound》を唱えた。Aは毒カウンターを得たくない。
下記の手順で《煙霧吐き》の能力を《煙霧吐き》自身を対象にして起動することができる。
a 《煙霧吐き》の能力の起動を宣言
b コストとして《煙霧吐き》を生け贄に捧げることを宣言
c 《煙霧吐き》を対象にすることを宣言
g コストとして《煙霧吐き》を生け贄に捧げる
同じような理屈で、《投げ飛ばし/Fling》でも追加コストで生け贄に捧げるクリーチャー自身を対象にできる。
この前の「ミラディン包囲戦 よくある質問集」↓に載ってたやつ。
http://mjmj.info/data/faq_mbs_j.html
とは言っても、上のような状況くらいでしか使う機会は無さそう。
例②:[親和]などのコスト減少
Aは《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》2つと《彩色の星/Chromatic Star》をコントロールしている。Aは《物読み/Thoughtcast》を唱えたいが、《彩色の星》から青マナを出してから唱えようとすると[親和]で数えるアーティファクトが減ってしまう。
下記の手順で[親和]で数えるアーティファクトを減らすことなく《彩色の星》で出す青マナを使うことができる。
a 《物読み》を唱えることを宣言する
e2 [親和]により唱えるためのマナ・コストが(3)少なくなって(1)(U)になり、固定される
f 《彩色の星》のマナ能力を起動して青マナを出す
g マナ・コストを支払う
同じような理屈で、《カルニのハイドラ/Khalni Hydra》を唱える場合にも《野生の朗詠者/Wild Cantor》をコストの減少とマナ能力の両方に使える。
親和デッキを使う人にとっては必須事項なので割と有名な話。
例③:コストを増減・変更させる効果云々
③-①
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》が場にあるときに《Force of Will》をピッチコストで唱えたいのだが、唱えるためにマナ・コストは支払う必要があるか。
a 《Force of Will》を唱えることを宣言する
b 代替コストでマナ・コストを支払うことなく唱えることを宣言する
e1 代替コストで唱えるためのマナ・コスト(0)
e2 《アメジストのとげ》により(1)多くなる
ピッチスペル以外にも《祖先の幻視/Ancestral Vision》などの待機呪文や《魔の魅惑/Aluren》などのコスト変更効果など代替コストを用いる場合、その後に《アメジストのとげ》などのコストを増減させる効果が適用される。
③-②
《三なる宝球/Trinisphere》が場にあるときに《Force of Will》をピッチコストで唱えたいのだが、唱えるためにマナ・コストは支払う必要があるか。
下記の手順で考える。
a 《Force of Will》を唱えることを宣言する
b 代替コストでマナ・コストを支払うことなく唱えることを宣言する
e1 代替コストで唱えるためのマナ・コスト(0)
e3 《三なる宝球》により(3)に変更される
代替コストを用いる場合、その後に総コストを直接変更する《三なる宝球》の効果が適用される。
③-③
《アメジストのとげ》と《三なる宝球》が場にあるときに《対抗呪文/Counterspell》を唱えたいのだが、マナ・コストはいくら支払う必要があるか。
下記の手順で考える。
a 《対抗呪文》を唱えることを宣言する
e1 唱えるためのマナ・コスト(U)(U)
e2 《アメジストのとげ》により(1)多くなる
e3 3マナ未満ではないので《三なる宝球》の影響は受けない
《アメジストのとげ》などのコストを増減させる効果の後に、総コストを直接変更する《三なる宝球》の効果が適用される。
さらに《アメジストのとげ》と《三なる宝球》があるときに《Force of Will》をピッチコストで唱える場合、「代替コスト⇒コストの増減⇒コストの直接変更」の順で適用されるので「代替コストで(0)⇒《とげ》で+(1)⇒《宝球》で(3)になる」の順で計算される。
《三なる宝球》の上で《Force of Will》が飛び交うレガシーをやる人にとっては必須事項。
番外編:[烈日]の特殊な例
Aは《仕組まれた爆薬》を唱え、蓄積カウンターが2つ置かれた状態で場に出したい。しかしBは《アメジストのとげ》をコントロールしている。Aが《仕組まれた爆薬》をX=2で唱えると、唱えるために(3)必要になってしまう。
下記の手順で(2)だけで唱えることができる。
a 《仕組まれた爆薬》を唱えることを宣言する
b 可変コスト(X)の値を1と宣言する
e 《アメジストのとげ》により唱えるためのマナ・コストが(1)多くなる
g 2色のマナを使ってマナ・コストを支払う
WaterForestさん曰く「ヴィンテージやるなら覚えておくべき」知識。
オチなし
コメント
X=2と宣言しても(W)(W)(U)のように2色しか使わなければカウンター2個に調節して出すことは可能ですが、でも1マナ損だよね、って話です。
もちろん3色支払えば3個になります。
今回の例とは関係ないですが、
自然の秩序プレイ→優先権放棄せずに続けて根絶プレイ→コストの支払いでファイレクシアの塔でアカデミーの学長を生贄に→学長の効果で鳩散らしを持ってくる
ってやると、相手が「自然の秩序を打たれたので打ち消そうと思ったら鳩散らしが場に出ていた。何を言ってるか(略)」状態になります。
>③-③
うわっ本当だ!これは恥ずかしい!
というわけで適当に差し替えておきました。
ありがとうございます。
>自然の秩序云々
すげー気持ち悪い動きですねw