Decks of the Weekでなんかカオスなデッキが掲載されてた。

ヘルムヴォイド/Helm Void
使用者:PTPaul

Main Deck

4《古えの墳墓/Ancient Tomb》
1《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
3《暗黒の深部/Dark Depths》
4《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
6《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
1《烏羅未の墳墓/Tomb of Urami》
3《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
4《不毛の大地/Wasteland》

3《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
4《Helm of Obedience》
4《虚空の力線/Leyline of the Void》
4《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
4《Nether Void》
4《血清の粉末/Serum Powder》
3《大霊堂の戦利品/Spoils of the Vault》
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《三なる宝球/Trinisphere》

Sideboard
3《滅び/Damnation》
4《闇の腹心/Dark Confidant》
3《殺戮の契約/Slaughter Pact》
4《吸血鬼の呪詛術士/Vampire Hexmage》
1《ヴォルラスの要塞/Volrath’s Stronghold》


デッキの核となるのは《Helm of Obedience》と《虚空の力線》の瞬殺コンボ。
コンボパーツを効率よく手札に加えるための《血清の粉末》と《大霊堂の戦利品》。
1ターンでも早くコンボをスタートさせるための《モックス・ダイアモンド》と《古えの墳墓》。
更には《思考囲い》のハンデスがカウンターをケアする。

サイドボードには《吸血鬼の呪詛術士》も積まれ、クリーチャー除去を抜いてきた相手に対して《暗黒の深部》からのマリットレイジトークンがこんにちわ、というわけだ。


これでいい。
ここまではこれでいい。


だが異彩を放つのは《Nether Void》と《三なる宝球》の8枚。当然ながら、これらは自分にも作用する。
更に《世界のるつぼ》が入っており、土地に目を向けると、《ミシュラの工廠》と《不毛の大地》も4枚ずつ積まれている。

どうやら《Nether Void》《三なる宝球》《世界のるつぼ》《不毛の大地》で相手を縛り、自分は《ミシュラの工廠》で守りながら《世界のるつぼ》によってマナを伸ばし、ゆっくりコンボを決めることもできる構成になっているようだ。


なんだこれ。
ヘルムヴォイドと黒スタックスのハイブリッド?
やりたいことはわかるが、コンボデッキでわざわざ相手を縛りに行く理由がわからない。


しかし一歩引いて現在のレガシー環境を考えると納得できた。

現在のレガシー環境の中心である『サバイバル』デッキ。
《適者生存》を中心として多種多様なデッキが組まれているが、その多くに採用されているギミックがある。それは《適者生存》⇒《復讐蔦》⇒《日を浴びるルートワラ》と繋がるマッドネスギミック。《復讐蔦》の誘発条件である「唱える」という処理を、《日を浴びるルートワラ》のマッドネスを利用して賄っている。「唱える」という処理は打ち消すことができないため、通常は先に《適者生存》を割るか墓地対策をすることでしか対処できない。

だが、ここで《三なる宝球》が場に出ていたらどうなるか。
《日を浴びるルートワラ》をマッドネスで唱えようとしても、コストを支払うことができないため唱えられない。そのため『サバイバル』は、まず《三なる宝球》を対処しない限り《復讐蔦》を墓地から場に戻すことができない。
つまり《三なる宝球》1枚で相手のマッドネスギミックを崩壊させることができる。

そう考えると、フィニッシャーに『ヘルムヴォイド』を採用している点にも合点がいく。
《虚空の力線》は『サバイバル』に対して有効なものの、効かない相手も多いために、本来ならばどうしてもサイドボードにしかなり得ない。しかしそんな《虚空の力線》を、『ヘルムヴォイド』ならばメインから4枚積むことができる。


この『ヘルムヴォイド』は一見カオスな構成だが、しかし現在のレガシー環境の中心にある『サバイバル』に対する解答としてデザインされたのではなかろうか。



いや、違うかもしれんけど。
そーじゃないかなーと思っただけ。
そんだけ。

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