先日、EDHに入れてある《ミストメドウの魔女》が自重しない多芸っぷりを発揮したので、ニッセン間近にも関わらずスタンをガン無視して《ミストメドウの魔女》について語ってみる。

もうスタン落ちしたシャドウムーアのマイナーなカードなので、知らない人のために。
ミストメドウの魔女/Mistmeadow Witch (1)(W/U)
クリーチャー - キスキン・ウィザード
(2)(W)(U):クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。次の終了ステップの開始時に、そのカードをそれのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
1/1

起動型能力で《霧への変化》が撃てるって書いてある。
《霊体の地滑り》の誘発型能力と同じ効果って言った方がわかりやすいかも。

起動コストが結構重いため、通常の構築環境での活躍は難しかった。しかしグダることが多いEDH環境でならマナは出る上、起動コストにタップを含まないため複数回起動も可能。

《ちらつき》タイプの追放して即座に場に戻す呪文や能力とはまた違った動きを見せる。できなくなったこともあるが、戻ってくるまでのタイムラグを利用することで《ちらつき》よりも更に使い方の幅が広まった。

能力を使うタイミングは主に3つ。

①相手の行動に対応して使う

②戦闘後メイン・フェイズの最後に使う
・擬似的にだが《ちらつき》タイプと同じく即座に場に戻すかのように使うことが可能。
・ただし、追放した後戻るまでに、メイン・フェイズ中にもう一度優先権ができるので注意。

③終了ステップに使う
・次のターンの終了ステップまで追放されたままなので、ターンを跨いで追放することが可能。


というわけで《ミストメドウの魔女》にできることをまとめてみる。


○基本編

①場に出たとき/離れたときの誘発型能力を使い回す
・《ちらつき》タイプと違い、場に出たときの誘発型能力を即座に使うことは不可能。
・《永遠の証人》や《目覚ましヒバリ》と組み合わせたときのエンジンが異常。

②単体除去からクリーチャーを守る

③相手のクリーチャーを一時的に除去する

④トークンを除去する

⑤奪われたコントロールをオーナーに戻す

⑥エンチャントや装備をはがす

⑦カウンターをリセットする
・+1/+1カウンターを取り除いたり、逆に《ファーティリド》などの+1/+1カウンターを回復させたりできる。

⑧全体除去からクリーチャーを守る
・《ちらつき》タイプでは不可能な使い方。
・相手が撃つのに対応して追放するよりも、ターンを跨いで追放してから自分のターンに全体除去を撃つことが多い。


○応用編

⑨生け贄に捧げる誘発型能力を消す
・新しいパーマネントとして場に出るため、《騙し討ち》などと相性が良い。
・マナを構えられないのでできるだけやりたくない動きだが、想起生物の想起プレイとも相性が良い。

⑩場を離れるときに追放する置換効果を消す
・実際には効果を消すわけではなくちゃんと追放されるが、その後に戻ってくる。
・蘇生生物などと相性が良い。

⑪裏向きのクリーチャーを表返す
・というかほとんど変異生物のこと。

⑫召喚酔いを解かせない
・《ちらつき》タイプでは不可能な使い方。
・ターンを跨いでオーナーのターンの終了ステップに戻るように追放すれば、ずっと召喚酔いが解けない。
・アタックだけでなく、起動コストにタップを含む起動型能力も封じることができる。


他にもまだまだやれることがありそう。

能力は一つなのに、やれることの選択肢が多すぎて楽しい。

ただし多人数戦ではやり過ぎるとヘイトを買うのでご利用は計画的に。



古のマジックには《のたうつウンパス》《リシャーダの港》のように、単純な能力をひとつかふたつ持っているだけなのに使い方次第で色々できるカードがあり、テキストに書いていない行間から読み取れる使い方を考えさせてくれた。

しかし、最近のカードはそういった意味で考えさせてくれるカードが少ないように感じる。プレインズウォーカーは確かに多芸で強力で魅力的だけど、始めから能力をいくつも持ってて何でもできるようにデザインされており「ね?多芸でしょ?」というウィザーズの声が聞こえてくる。書いてあることをやるだけで、能力を上手に使ってる感じがしないので、こういった意味では好きになれない。

だから、この《ミストメドウの魔女》や《黒死病の悪魔》のようなカードが収録されたのは個人的にはすごく嬉しかったりする。

しかし、カードの上手な使い方を考えるよりも単純に強いことが書いてあるカードを使った方が結局強くなってしまう最近の構築環境と、その環境に慣れてプレイヤーがカードの使い方を考えなくなってしまっていることが、非常に残念。



閑話休題、せっかく《ミストメドウの魔女》の話をしたのでクイズでも。

前に出した問題と似てるけどもう一捻りしてあって、ちゃんとルールを理解できてるか確認。前の問題を知らない人も考えてみて。




M11で《ボール・ライトニング》が落ちそうで悲しみ嘆いているボブと、M11で《マナ漏出》が再録されて喜び勇んでいるスーが、いつものゲームをしている。

ボブは、アンタップ状態の山を5つと平地と島を1つずつと《ミストメドウの魔女》1体をコントロールしており、手札は《ボール・ライトニング》《地獄の雷》《猛火》の3枚である。

スーはライフが21で、基本土地数枚をコントロールしているだけであり、手札は無い。

ボブが2ターン以内に勝つ方法を挙げなさい。ただし、どちらも今後のドローは考えないものとする。

ボール・ライトニング/Ball Lightning (R)(R)(R)
クリーチャー - エレメンタル
トランプル、速攻
終了ステップの開始時に、ボール・ライトニングを生け贄に捧げる。
6/1
地獄の雷/Hell’s Thunder (1)(R)(R)
クリーチャー - エレメンタル
飛行、速攻
終了ステップの開始時に、地獄の雷を生け贄に捧げる。
蘇生(4)(R)
4/4
猛火/Blaze (X)(R)
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。苦悩火はそれにX点のダメージを与える。

そういえば、ボブとスーとか覚えてる人ってどれくらいいるんだろうか?

コメント

ペンタバイト
2010年6月29日9:13

終了ステップの開始時がポイントですね。わかります。

Aki
2010年6月29日14:01

僕が初めて買ったマジックの製品はプロフェシーの緑のテーマデッキ。
その解説書でボブとスーは戦ってましたね。

ふみ(旧)
2010年6月29日22:28

>ペンタバイトさん
そういうことですね。

>Akiさん
雰囲気重視な解説も好きだったんですけどね・・・
あ、せっかくなのでリンクしました。

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